音雲dig

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小川糸『ファミリーツリー』

http://www.amazon.co.jp/dp/4591129136

ポプラ文庫から出ているこの小説を昨日読み終えました

もうこっちに来て3冊も小説を読んでいます

環境は人を変えるのだと身を持って感じています

 

せっかくだし読書感想文を

 

ふわふわした文体、いやこれは主人公の性格のせいなのかもしれない

しかしそのふわふわした文章を300ページ読み終えて私は家族を思わざるをえなかった

海の向こうにいる家族の中でも、特に祖母を

もちろん祖母と私の関係は主人公と彼の祖母とのそれとは違うけれど

どこか取っ付きにくい文章だなーと思ったのは最初だけで

最後は主人公と彼を取り巻く家族関係に胸を詰まらせる結果となった

 

読んでよかったと思う

彼と私の共通する部分、そして異なる部分

設定されている年が近いこともあり、これらをその都度その都度比較しつつ

読み進めるのはなかなか新鮮な経験だった

確かに私も大学時代、全てに絶望し、やりたいことは見つからず怠惰に過ごす日々があった

 

しかし、例えそんなことをしていても切れぬ目には見えない繋がり

人によって絆や縁と言うように呼び方は違うが

そんな繋がりが私たちの周りにはある

たとえ育ての親がいなくとも生みの親は必ず存在する

一般的に見て幸運なことと言うべきだろうか

私の生みの親と育ての親は一致しているし何不自由なく育ててもらった

 

しかし彼はそんな幸運を疎んだ

リリーの家族環境を羨んだのだ

意外だった

 

 

とまあこんなもんかなー

最後は

ん?と思ったけど

そこまで思わせることを想定してあのラストにしたなら

作家ってのは凄いなと