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デートプランとしての分譲マンション モデルルーム見学のすゝめ

 

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皆さんはモデルルーム見学をしたことがあるだろうか。

いま賃貸に住んでいる方は恐らくないだろう。

私も賃貸住まいだ。

元々モデルルームなんて全く興味がなかった。

 

 

だがこの間、とあることがきっかけで分譲マンションを見学してきた。

興味なんてまったくなかった、が。

 

とても勉強になったし、買う気がなくとも早い段階で行っておいてよかった!

と感じたので共有したい。

そんな記事です。

 

 

前提

まず私は彼女と同棲していて、未婚。

結婚時期などはまだ未定。

結婚=マイホームとも考えていないし、分譲マンションを買う気もなかったし、それはマンション見学後も変わっていない。

それなのに何故モデルルーム見学に行ってよかったと感じたのか。

 

互いに人が多いところが嫌いなので都心には住みたくないという気持ち。

そもそも低賃金なので都心に住んだら例え狭小アパートでも収入が全て吹っ飛ぶ。

 

イケハヤ信者なのでこのご時世35年ローンはあり得ないなと感じている。

そもそも同じ企業を勤め上げる気がなければ35年ローンは精神的にも厳しいと感じている。

 

 

きっかけ

自分の家のポストにマンションのチラシが入っていた。今住んでいるエリアは建築ラッシュで、大小様々な戸建や集合住宅がニョキニョキと建っていく。

その中の一棟、少し高めのマンションのチラシに

午前中見学で5,000円分の商品券プレゼント!」の文字。

2時間そこいらで5,000円がもらえるなら!とすぐさま予約した。

きっかけはお金であった。

 

 

購入することはおろか、ローンを組めるような年収・職歴では全くないが、電話で正直にそれを伝えた。

でも結果からいうと全然大丈夫だった。

「あのー最近ここらへんにいっぱいマンションが建ってて興味はあるんですが、いつ買うとかそういうのは全然決めてないんですー」

 「そうですか。お客様に今ご紹介できるお部屋は4000万円台のものでございます。当日はそちらをご紹介させていただきます」

(よ、よんせんまん…)

「同棲をされているということですが、今回はご結婚を予定されていて購入を検討されている。ということでしょうか?」

「あーそうですねー。結婚することは決めていますし、そうしたら3LDKくらいは欲しいなという感じですが、時期などは全く決めていないんですよ」

「そうですかー。」

 

ちなみに当然だが、予約の際に

住所年齢職業年収など一通り記入せねばならないし、電話でも当日の見学でローン設計の際にも聞かれる。

向こうはそれが商売だ。

私の場合は相手の営業の方が非常に丁寧でわかりやすい語り口で説明をしてくださっただけでなく、

(こいつら絶対買う気ねえな)と思っていたであろうに私たちの今後のことを考えてくださった。

この場を借りて感謝をお伝えしたい。

三◯◯◯◯レ◯◯◯◯◯ルの方、本当にありがとうございました。

 

 

モデルルーム見学とはなにか

分譲マンションの場合、恐らく2パターンだ。

・もう建ててあるマンションの一室がモデルルームになっている。

・展示場を作ってその中にタイプ別の部屋を用意している。

今回は後者だった。

 

やや緊張しながら受付をする。

まずアンケートを記入させられる。

また職業やら年収やら、どんなきっかけでこの展示場を訪れたのか、どんな間取りがいいかなどなどを書く。

A4サイズ2枚くらいに文字がびっしりと書いてある・・・。

適当に書けるところだけ書いて提出。

というか本気で書こうと思ったら時間がメチャクチャ必要だと思う。

 

しばらくすると営業の方がやってくる。

挨拶もそこそこに、マンション周辺の話や行政の取り組み、どんな施設があり今後の都市計画の話などをする。

地元の話で盛り上がるのは定番だ。

 

一番驚いたのは、展示場の設備の充実っぷり。

外から見るとさほど大きく見えない展示場なのに、内部にはプロモーションビデオを見るためのシアタールームや周辺の地図模型やポイントが部屋中に書いてある部屋。

タイプ別の複数のモデルルームに建物の設備を説明するための模型が置いてある空間などなど。

目的別の部屋が多数用意されていたことだ。

 

大きい地図を俯瞰して観れるのは非常にわかりやすく実感を得やすい。

話をするだけでなく実際に体験ができるような設備になっている。

非常にお金をかけて設計されている。

 

 

都心から少し離れたエリアに建てられたばかりの全100戸未満の中型マンション。

内装や設備は中の上。

無い物は特になかった。

床暖房付きだし。

二重床になっていて足音が響かない。

床板と壁板の間はほんの少し隙間が空いていて、それが振動を壁全体に伝えない仕組みになっている。

ベランダは十分に広く、柵は半透明のガラスなので日光を取り入れて開放感を得る効果がある。

 

というのを2時間かけて体験する。

「へえーすごい!」

「なるほどーよく考えられてる」

の連発であっという間にマンションが欲しくなる恐ろしい空間。笑

 部屋の広さを数字でなく肌で感じられるのは大きい。実際に足で運んだ体験に勝るものはないということだ。

 

 

 

多角的な視点/知識はネットで調べただけでは得られない

 

営業の人はプロの家売り。

様々な視点からメリットを述べるための勉強をしている。

家の設備ひとつにしても、実体験や奥さんの体験に沿った発言をしてくる。

ディスポーザーと床暖房がめちゃめちゃ欲しくなるのである。危険だ。

 

設備だけでなく、この地域の行政は子育てしやすい環境を作るためにこんな設備を使っているとか。

駅周辺の土地を区分すると、都市計画道路がこう走っていてここまでが商業区域だからその隣は値段が上がるという予想ができる。

(だからこの部屋の値段は下がらない)

なんとも力強くひとつひとつ納得感を与えながら買わない理由を潰してくる。

ハザードマップとか出してくる。

すごい。

 

自分であそこまで調べるのは、全ての情報がネットにアップされていたとしても2時間では不可能だ。

その知識でお金を稼いでいる人が専門知識をベースにして説明するから、こちらはそれを体系的に吸収することができる。

流石プロ。

行政が出してる洪水ハザードマップ出して、

「ここの周辺は川が氾濫したら浸かりますけどここはほら、全く色付いてないでしょ?川がないし高台なんですよ(さりげなく標高差のマップも出してくる)。一回でも浸水したら価値はダダ下がりですよ。」

「そりゃそうだ!」

あの時点でもうすでに黄金パターンに入っていたのだろう。恐るべし。

 

 

 賃貸に住むことと分譲を買うことの違い

 

この視点を2時間かけて実感した。

買うとなると、資産を運用するという視点も生まれる。毎月住居費を払うか、自己の資産としての不動産に「投資」していくのか。

今回説明してくださった営業の方は新卒5年目くらいで都内の1LDKを実際に買い、結婚して家族と住む時に売って利益を出したそうだ。

 

でも素人には難しいし、無理。

人口減少社会では都内の一部しか値上がりはないでしょう。良くて買った時と同じか若干下がる程度。

「賃貸に住んでたと思えば差し引きで得したよね!」でも立派とするしかない。

 

 

分譲マンションを見学してもやはり賃貸派

 

これから家に住む人間がどんどん少なくなります。移民を受け入れない限りは。

また、トラブルを嫌う保守的なオーナーは外国人の入居を嫌がるでしょう。

 

ということはオーナーからすれば賃貸に住む人間の取り合いになります。さらにサービスが良くなり、敷金礼金更新料なんてありえない!という時代が普通に来るのではないでしょうか。

ペット可の物件だって一昔前は少数派だったように。

賃貸に住む人間にとってはあかるい未来が待っているはず。

 

確かに不動産を購入するすれば法律上、それは自分の資産になります。

でもそれは「利益」を生み出した場合。

利益を生まず、維持管理にお金のかかる所有物は「負債」だと思うのです。

 

不動産を買ったら

・ローンの支払い(賃貸より高いか良くても同じ程度)

・設備の修繕費

・賃貸より高額な地震・火災保険

・固定資産税

という金銭の負担に加え、

・所有者としての責任を果たすための有形、無形のコスト

がかかります。

 

詳しくはないのですが、不動産を買うとなったら様々な書類の提出が必要でしょう。

ローンを組むとなったら銀行の審査も必要。

これは家、というより戸建てを土地付きで買ったらの話ですが、

例えば、自分の土地に生えている木が大きくなり、他人の土地に掛かったらそれを切るのは所有者の責任になるのでしょう。

リスキー。

 

果たして不動産の購入は将来への投資になるのでしょうか?

少なくとも関東圏に住む自分にとってはそう思えません。

おカネがいっぱいある人は別ですけど。

 

 

イケハヤ氏は高知の山奥にある広大な土地を格安で手に入れることが出来ます。

彼は十分な収入があり、土地の近辺には元々なにもありません。

そんな土地を開墾して何かを建てようというのはとても面白い取り組みです。

でもそれは土地が安いから良いのです。

35年ローンを組んで不動産を買ったらそれが資産になるかと言えばならないでしょう、現代では。

ローンに支払う分のお金を毎月貯蓄し、

ある程度まとまった金額になったら投資信託をする方がよほどいいでしょう。

 

ということも、分譲マンションを見学することで確信することが出来ました。

自分にはない知識や体験をすることで「住居問題」について考えを深めることが出来た上に5,000円も貰えたのですから本当にラッキーでした。

 

また、今回のことで彼女と将来のことについて話せたのもよかった。

毎日一緒に過ごしていると、

自分が将来どんなところに住みたいかを話すタイミングを失いがちだ。

毎日自分が帰る家なのにも関わらず。

将来のことを話すのはとても楽しい。

将来に対して不安がないわけではないが、家を買うだけの年収が無くても死なないし豊かに暮らすこともできる。

 

 

「引き算」の発想への転換

 

イケハヤ氏も高城剛氏も言っているが、今後我々の年収は何もしなければどんどん下がる。

もう貧しい社会になってしまっている。

 

都心でワンルーム10万のアパートに一人暮らしをするのが豊かなのか。

 

年収300万では少ない、だから「頑張って」働いて残業代で小遣い稼ぎ。

家族と過ごす時間を犠牲にして400万、500万を目指すのか。

せっかく自分の「城」があるのにもかかわらず。

 

毎月かかる住居費や固定費を見直して、当たり前に使うお金を減らせば「年収150万で生きていける」とイケハヤ氏は言っています。

 

これはイケハヤ氏が2011年に出した本だが、内容は古くなっていない。

世の中の情勢は不安さを増している以上、年収が上がらなくても暮らしていけるよう住居費を下げるためにどうすれば良いか真剣に考える段階に入っている。

 

そのきっかけには分譲マンションの見学がいいと思う。

勿論、安定した収入が見込める上にお互い家が欲しいのであれば購入を前提として見学するのが良いでしょうね。

様々な視点で比較することが大切だと営業の方は仰っていた。

この記事はマイホーム・マンションの購入を否定するものではないし

海外の大都市近郊であればまともな会社務めをしている人なら普通に庭付き一戸建てを買うので、それが羨ましいのは本当です。

でも何もかも完璧に揃っている国や地域なんてありませんから。

今いるこの国でどうすればいいかを考えると希望も見えてきます。

 

真剣に住居を考える上で、とても勉強になった2時間でした。

自分の将来に絶望するためではなく、希望を持つためにモデルルーム見学をしてみるのをおすすめします。

 

 

この本も将来を考える上でとても勇気づけられました。

おすすめします。