音雲dig

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劇場版SAO オーディナル・スケールを観たので制作側に一言いいたい

www.swordart-online.net

 

アニメ版SAOは3周。

原作は本編を大体読んでます。

去年なので最新の1-2巻はまだ読んでないです。

 

ネタバレです。

良かった点と良くなかった点と悪かった点を思い出せる範囲で書きます。

 

sao-movie.net

 

良かった点

SAOには説得力がある、と感じています。

SFとしての「本当に起こりそう感」を与えるだけの世界観を構築する説明力があります。

また、今後VR/ARの世界で起こるであろう問題とその中にも希望があることをきっちり書き上げてくれています。

今回の劇場版もそうでしたが、ちゃんと問題の解決策も与えてくれるのです。

なあなあにしてその場しのぎで解決して

「今後どうなるんだろう、でも俺たちが生きている限り希望はあるさ」的な帰結ではなく。

アインクラッドで4000人死んだけど仮想世界と現実世界の混同が問題なのではなく、だってアインクラッドだって現実なんだからそりゃ殺した人が悪いよ。

ちゃんと機械改良して(出力下げて脳を破壊できないように)運用すれば大丈夫。

茅場はとんでもないことをしたけど、医療用フルダイブ装置の原案を作ったのも茅場。マザーズロザリオ編では茅場によってスリーピングナイツのメンバーやアスナが救われたのです。

 

今作オーディナルスケールでは今後起こりそうな拡張現実の機器の発達が描かれています。

フルダイブは危険だがあくまで現実世界に根ざした「拡張」なら安全、という茅場へのアンチテーゼから物語がスタート。

皮肉にもまたキリトたちがその危険性を体を張って立証してしまうのですが。

 

しかしARにせよVRにせよ、新しい世界が生まれれば他の世界では活躍できなかった人間にもチャンスが生まれます。

アインクラッドで活躍できなかったエイジも拡張現実の世界では大活躍出来たのです。

それってとても救いのある話です。実際には悪意のある人間に作成されたせいで、記憶を奪われる結果となったアスナ達ですが。

 

あとは前半いまいち盛り上がりにかける展開だったのを後半20分で盛り返したこと。

あれは燃えた。

仲間達が加勢に来るシーンは何回見たっていいものです。

「それだよ!それ!」って。

 

100層のボスを倒すときにアスナがマザーズロザリオを発動するシーン。

ユウキの影に泣きそうになった。

二刀流スキルでボコボコにするところなんかはスマブラ感があってアツかった。

今までやってきたことや仲間の想いを無駄にしないんだよね。

そこが凄く良い。

 

 

良くなかった点

 後半20分の盛り上がりは本当によかった。

でも前半から中盤にかけて、全く盛り上がりがないし説明的。もっと練ろうと思えば練れたはず。

もう一捻り欲しい。

アリシゼーション編を書ける作者の作品なんだからもっと面白い映画が作れたはず。

想像力が創る世界のワクワク感がARの世界観の表現には不足していた。

 

 

悪かった点

これはもう圧倒的に作品内広告がダメだった。

ソニーのヘッドホンの違和感。

www.sony.jp

ダメでしょあれは。

キリトとアスナが肩を寄せ合って眠るシーン。

ヘッドホン付けて肩を寄せ合ったらガチャガチャするでしょう。違和感しかない。

 

こんなのつけてひっつけるかって話よ。

 

お金のために必死なのは悪いことではないと思う。

作品内に登場させた商品が売れるのは悪い話ではないし、聖地巡礼だって同じ括りの話。

作品を追想・追体験するために作品内に出てきたものを手にしたり、グッズを買ったり、舞台に実際に行ってみることは素晴らしい。

オタクの鑑だと思うしそこまで好きになれる作品があるのが素晴らしいこと。

 

でも初めからそれを狙ってやたらヘッドホンさせるのはダサいし、本編でそのような設定がない以上作品に没入することを妨げる要因になる。

一言で言えば白けるのだ。

あの指輪もあからさまだしな〜…。

 

作品内広告は新しい可能性があるだろう。

でもけいおんの澪がしていたヘッドホンは違和感がなかったし似合っていた。

そもそも軽音部の人間がかっこいいヘッドホンをしているのは普通だし、そこに作品の世界観やキャラクターに深みが出ることもある。

あ〜このヘッドホンは絶対に人気が出るな、と察したが作品とキャラの雰囲気に合っていたから良かったのだ。

 

エヴァにしてもそう。

ミサトさんのエビス好きや獺祭好きは全く違和感がない。元から酒が好きな設定だしエビスビールが好きな設定だから。

UCCコーヒーにしても作品の空気を壊すような露出はされていなかったから、作品外でコラボをしても成立している。

 

もう少し「粋」なやり方はなかったのかな。

作品内広告というか、コラボというか。

なか卯だっていきなり牛丼の話出てきて微妙だったでしょ…

お金の匂いをさせないことが大事だと思う。

 

www.animatetimes.com

 

今後アリシゼーションがアニメ化されるようです。

劇場版のラストでそれについて触れられていました。

地上波3期だと思いますが、仮に劇場版だったとしたら今回のようなことはしないで欲しいのです。

ファンだから。

製作の方々には心からのお願いです。